経済成長には、何が何でも圧倒的な投資が必要
1980年のアメリカは、不況なのに物価が上がるスタグフレーションに悩まされていた。
そこで「強いアメリカ」を標榜して大統領に当選したのが、共和党の元俳優ロナルド・レーガンであった。
レーガンは強いアメリカを復活させるために、レーガノミクスという政策をとった。
レーガノミクスというのはウィキペディアの記述によると、
- 減税により、労働意欲の向上と貯蓄の増加を促し投資を促進する。
- 福祉予算などの非国防支出の歳出削減により、歳出配分を軍事支出に転換し強いアメリカを復活させる。
- 規制を緩和し投資を促進する。
- 金融政策によりマネーサプライの伸びを抑制して「通貨高」を誘導してインフレ率を低下させる。
この四つはそれぞれ別の政策のようであるが、ある共通点がある。
それは「とにかく投資を増やす」「規制を緩和して、新しい産業を生み出す」ということである。
政府はゴチャゴチャ細かいことは言わないで減税するから、消費でも投資でもドンドンしてください。
規制も緩和して企業活動をもっと自由にできるようにするから、企業も個人も、自由に新しい事業に挑戦してください。
通貨高(高金利でドル高)にしますから、海外の皆さんも投資してください。
それだけでは投資が足りないかも知れないから、SDI計画(対ソ連・宇宙軍備いわゆるスター・ウオーズ計画)で政府も宇宙軍事技術に大きな投資をします。
要するにとにかく何が何でも、投資・投資・投資・投資…という環境作りである。
レーガノミクスは本当に失敗だったのか?
レーガンが行ったレーガノミクスは、20世紀の中で特筆される経済改革である。
というのも20世紀は不況退治・失業対策に積極的に政府が投資を行う、いわゆる「ケインズ政策」がとられていた。
ところがその結果、政府組織が肥大化し、肥大化した政府組織がさらに肥大を重ね、税金の無駄遣いが目立つようになっていた。
また政府組織が肥大化すると、民間の企業活動にも影響が出る。
つまり政府よりももっと効率がよい、安価なサービスを行おうとしても、肥大化した政府組織があるために、様々な邪魔が入るわけである。
政府組織は民間に仕事を奪われないように、民間には不利な規制を平気でドンドン作る。
つまり参入障壁を高くして、民間では事業しにくい環境を作り、独占利益・寡占利益で儲けようとするわけだ。
そう言うことをしていては、新しいビジネスなんて生まれない。
なのでレーガノミクスでは減税と規制緩和によって、民間企業に自由に新しいビジネスを追求させ、経済を発展させようとしたわけである。
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